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きんこんぶろぐ

大学生の私が日々思うことを綴っていくブログ

誰でもできる!10000RT—基礎知識編その2:欲望渦巻くSNS

誰でもできる!10000RT

 今回は、Twitterという社会の中で渦巻く『欲望』について話します。

Twitterを含むSNSがここまで成功した背景には、人間の『繋がりたい』『承認されたい』という欲望があります。いつでもアプリを開けば誰かと繋がることができ、自分が投稿をすれば誰かからのリアクションが返ってくる。他者との繋がりや、他者からの承認を得ることができるのがSNSの大きな特徴です。

数あるSNSの中でも、Twitterはこの二つの欲望を満たすための機能に特化しています。二つの欲望を知ることで、ユーザー同士がどのように結びついているのかを知ることができるでしょう。

 

○『繋がりたい』という欲望

 まずは『繋がりたい』という欲望について説明します。

 第一に、人間は社会的動物の一種です。他の社会的動物にはサル・犬・アリなどが挙げられます。社会性動物は、基本的に一個体だけで生活することは不可能だと言えるでしょう。なぜなら、一個体の上位システムとして社会が存在している現状、社会の助けを得ることなしに個体が生存することは非常に難しいからです。

人間を例に出せば、もう既に社会に属している両親や助産師・医師の助けでこの世に生を受け、学校で社会の仕組みを体感的に学び、大人になる頃には立派な社会の構成員の一員となります。

一見、孤独に見える不登校児やホームレスも、社会に属していると言わざるを得ません。なぜなら、不登校児は社会の誰かが生産した食料・道具と生活し、ホームレスはどこで炊き出しが行われているか、集めた缶はどこで売れるかといった情報を誰かから入手しているからです。真に人間が孤独になるのはこの世を去る時のみです。

もの・情報は人間を介して社会の中で網目状に広がっています。むしろ、網目状に広がった人間同士の相互作用こそが社会と呼べるものでしょう。社会の実態とは、人間同士の繋がりそのものなのです。

 

 生きていく上で他者と繋がることが不可欠な以上、人間は他者と『繋がりたい』という欲望に駆られます。SNSの登場以前、私たちは現実世界で接している以外に、他者のことを気にかける必要はありませんでした。一人でいるときに、気軽に他者と繋がることのできる道具が存在していなかったからです。せいぜい、今よりもはるかに手間のかかるインターネットと、電話やメールくらいしかありませんでした。メールには既読機能など無いので、SNSほど他者の繋がりを強力にすることはありません。(それでも、メール依存症なんていう言葉が誕生していたり、返信をする時間などで人間関係の駆け引きをすることはありましたが)

 

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 ところが、スマートフォンの普及や、SNS・メッセージアプリの誕生で私たちの人間関係の様相は大きく変わりました。これらの新しく生まれた道具は、人間関係を極限まで繋げることのできる多くの機能が仕組まれていました。各SNSのタイムラインはいつでも自分と繋がっている人の様子を確認することができ、LINEの既読機能は「すぐ返信しなければ」という必要を創り出しました。こうして現在のベッタベタな人間関係が誕生したわけです。

SNS・メッセージアプリは『繋がりたい』という欲望をうまく刺激しました。そして、人間の繋がりはもう一つの『承認されたい』という欲望も駆動し始めたのです。

 

○『承認されたい』という欲望

 人間の『承認されたい』という欲望は、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した『欲求段階説』の四段階目と一致します。

 

http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/3d/f1743b5943352abcd4e20c8f0fd3676d.png

 マズロー欲求段階説では、人間の欲求は

1.生理的欲求 (Physiological needs)

2.安全の欲求 (Safety needs)

3.社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)

4.承認(尊重)の欲求 (Esteem)

5.自己実現の欲求 (Self-actualization)

の五段階で、数字が小さいほど原初的な欲求だといった風に並べられています。

第一、第二欲求はスマートフォンを得ることができる状態で既に満たされています。

次の第三欲求は、『繋がりたい』という欲望そのものです。他者と繋がることで、自分が集団に属しているという感覚を得ることができ、次の承認欲求を得る段階へと移ることができます。

 

 承認欲求とは、自分が集団から価値のある存在だと認められ、尊重されることを求める欲求のことです。SNSはこの欲求を満たすことにとても長けています。

趣味のアカウントを持っている人を例にします。これらのユーザーは、フォロワーが増えるにつれ『クラスタ』と呼ばれる集団に次第に属していきます。艦これクラスタ・刀剣乱舞クラスタなどが最近勢いのあるクラスタです。クラスタ内では、その趣味に応じたネタや、イラストが高く評価されます。また、虚構のキャラクターの誕生日を祝ったり、趣味について多くを共に語り合うことで互いに承認しあいます。

クラスタに属していないユーザーも、大抵は現実世界での友人たちと相互フォローの関係にあるので、互いに日頃起きた出来事について共有し合っています。互いの生活をリアルタイムで確認しあえることが、承認欲求を満たすことになるのです。

 

 共通の趣味や現実世界での友人関係を元にユーザーたちはSNS上で繋がりあい、〇〇大学・〇〇ファンといった集団に属し、互いの投稿にリアクションを起こして承認しあいます。

今やスマートフォンはいつでも友人に接触することのできる触手として機能していると言えるでしょう。触手はフォローすることでどこまでも伸び、絡み合い、じっとりと互いの身体を這うことで承認の快楽を貪るのです。

 

 なんかエロくなってきたのでここで今回は終わります。次回はいよいよ、今回と前回で書いたことを踏まえて、RT数の多いツイートの特徴へと迫っていきます。

 

 余談ですが、Twitterには裏垢というシステムがあります。

要はプライバシーを守るための機能である鍵垢を利用した、互いに親しい人だけで相互フォローが構成されたアカウントのことです。

このアカウントもRTさせる対象として考慮してしまうと、ツイートするのがにっちもさっちも行かなくなるので、この連載では裏垢の存在についてはあまり考えません。トピック的な形で裏垢について触れることはあるかもしれません。

 

○参考文献

 

https://www.amazon.co.jp/ネット社会の諸相-飯田良明/dp/4762025364

 

https://www.amazon.co.jp/承認をめぐる病-斎藤環/dp/4535984018