8/21 晴れ
暑さが引いたと思ったら、再び気温が上がってきた。
甲子園は終わったが、平成最後の夏はまだまだ終わらない。
塾講で働いてばかりいると、そちらにばかり意識がとられて、進めるべきことが進められない。
認知負荷がかかるというか、バイトの予定のことを考えるだけでも脳内のメモリの大部分がそれに持っていかれるようである。
二年生の夏はこのようなことはなかった。
何をするにも集中力が持たず、単純作業すらも覚束ない毎日である。
日課だった読書すら、のめり込むことができずにいる。
久しぶりに、読書に没頭する時間をとってみたい。
新人Vtuberとしてデビューして、埋もれないためにはどうすればいいのかを考えている。
私がバーチャル空間で快適に過ごすために、全財産のほとんどを費やしてきたことや、入念な計画を建ててきたことは、私と親しい人ならば周知の事実かもしれない。
「リアルなんて捨ててやる」と傲慢に喧伝しつつも、技術・声質・テンションという重要な要素が欠けているのが、私にとって致命的である。
バーチャル生活を送るために費やした金銭の回収が、Vtuberになった際のとりあえずの目標であるが、Vtuber界隈の現状を見るにそれは難しそうである。
「フェアリス」という、それなりに有名な個人Vtuberの生放送を、私は偶然見かけた。
放送タイトルは「個人Vtuberのこれからについて」であった。
企業に属することなくVtuberを目指すものの端くれである私は、このタイトルに誘われるように彼女の放送を覗いた。
放送の要旨を述べるならば、「個人VtuberがVtuber全体のトップ層に占める割合はますます少なく、チャンネル登録者数も伸び悩んでいる。このままではVtuber界隈が企業一辺倒になってしまう」といった感じだろうか。
それへの対策として、企業Vtuberとのコラボを個人Vtuber側からも積極的に仕掛けていくこと、配信より動画投稿を重視することをフェアリス氏は訴えかけていた。
しかし、企業Vtuberとのコラボには多くのコンプライアンスが付きまとい、個人Vtuber最大のメリットと言っていいフットワークの軽さが犠牲となってしまう。
さらに、動画投稿の質でも、個人が企業に打ち勝つことは難しく、これからはYoutubeプラス、どこかのクラスタに属しているVtuberでないと、個人での成長は難しいだろう、といったようなことを彼女は繰り返していた。
Vtuberの動画を見始めて日が浅い私だが、「ごもっともだな」と思った。
確かに、今個人で成長しているVtuber、例えばケリンなら、ニコニコの例のアレカテゴリでも活躍するという二足の草鞋によって、一定の成功を収めてる。
必ず成功する、といったほどではないものの、これはなかなかに有効な戦略だと考えられる。
なお、私も例のアレカテゴリには精通しているつもりではあるが、このクラスタネタは控えるつもりでいる。
理由は簡単で、不手際を起こした際のリスクが跳ね上がるからだ。
私自身が口の軽く、出来の悪いシニカルな人間なのは自覚しており、例のアレネタを挟めば、炎上の可能性は跳ね上がる、確実に。
小ネタ程度ならまだしも、例のアレとはそれなりの距離を保とうと考えている。
個人でVtuberを始めようとするなら、トークはもちろん、プログラミング、動画の編集、キャラメイク、SNSなどでの広報、必要に応じて歌唱力、ゲームのプレイスキル、最悪の場合は「中の人」の麗しい外見といった能力が要るようになってくるだろう。
私はこのうち半分もカバーできていない。
いくつかの工夫によって能力の欠如をカバーする用意はできているが、うまくいくかは不安である。
これでこそ、挑戦し甲斐のあるというものだ。
だが、企業に所属しているVtuberはこれらの能力を複数人でカバーしてくる。
しかも、それぞれがトークの、プログラミングの、動画編集のプロフェッショナルである。
これには流石に太刀打ちできない。
では、どのように対抗していこうか。
やはり、コンプライアンスを犯すしかないのか。
コンプライアンスにも穴はあるんだよなぁ、ゴクリ。
つらつらと、ただでさえ少ないVtuberに関する知識で、自分でもよくわからないことを綴ってきた。
企業Vtuberと言っても、実態はマネジメントといった雑務のみを企業に委託している場合も多い。
個人で余裕のあるVtuberは企業Vtuberともコラボをこれからも続けるだろうし、個人Vtuberの企業Vtuber化も止まらないだろう。
最近では、のらきゃっと氏が新たに企業Vtuberに仲間入りをしていた。
しかし、動画投稿はただでさえ人気商売であるので、Vtuberの人気の固定化は、新規参入のVtuberの人気低迷だけでなく、彼らのモチベーションの低下にも繋がっていくはずだ。
ボトムアップで盛り上がった文化に、ボトムアップからの代謝が失われた後のことは、想像するのは難しくない。
そのうち、個人勢は個性だけを求めた「一発屋Vtuber」が増えるであろうし、今のテレビ業界と似た構図になるのだろう。
それすなわち、資本の持ったもの勝ちである。
さて、私はどのように立ち回ろうか。
動画の投稿頻度はもちろん、クオリティや、独自性もなければならない。
腹に一物抱えてはいるものの、それが上手くいくかはやってみないとわからない。
何より、一人で続けるのが辛いが、頑張ってみようと思う。
BB素材を動かして、ホモビ男優の喘ぎ声を一日中聞き続けるのに比べたら、Vtuberの編集は幾分マシである。
もし、チャンネル登録者が一万人を超えたら、このブログで報告しようと思う。
越えなければ、静かに消えるのみである。